新築時の保証じゃ不十分?なぜ住宅の定期点検が必要なのか、理由と正しい住宅の管理法を徹底解説

日本の住宅の寿命はおよそ30年と海外と比較しても短く、また、戸建住宅であれば資産価値はおよそ20年ほどで大きく落ち込んでしまうと言われています。このような日本の住宅の寿命の短さは、実は定期的な点検がなされず放置されてしまうことに原因があります。なぜ住宅の定期点検が必要なのか、理由と正しい住宅の管理法について解説します。

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日本の住宅に点検が必要とされる理由

新築時の保証じゃ不十分?なぜ住宅の定期点検が必要なのか、理由と正しい住宅の管理法を徹底解説
日本の住宅の問題点は定期的な点検が行われないことによって住宅の劣化が進み、ライフサイクルコスト(その建物が建てられてから解体されるまでにかかる総費用のこと)が増大してしまったり、資産価値が維持できなくなることです。
それではなぜ十分な点検が必要なのでしょうか。
その理由について解説します。

定期的な点検によって保証期限後も家を守ることができる

2000年に施行された住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)により、新築の住宅は引渡後10年間の保証が義務付けられるようになりました。
しかし、こういった保証期限以後は何も点検などがなされず、放置されてしまうことが現状です。
「新築時についてくる保証があるから大丈夫」と思う方も多いと思いますが、それだけでは不十分です。
正確に言うと保証が切れる築年数10年~20年以降にも定期点検しておかなければ、大きな損害が発生する可能性があるのです。
家をよりよく保つためには、やはり定期的な点検や管理が欠かせません。

住宅のライフサイクルコストを抑えることができる

住宅のライフサイクルコストを抑えることができる
住宅のライフサイクルコストとは、その建物が建てられてから解体されるまでにかかる総費用のことです。
ライフサイクルコストには大きく分けてイニシャルコスト、エネルギーコスト、メンテナンスコストの3つがあります。
イニシャルコストは建物の建築や購入にかかる費用といった、最初期に必要となるコストです。
エネルギーコストとは光熱費など、日々の生活で利用するエネルギーのコストです。
メンテナンスコストとは建物の劣化や自然災害による被害からくるリフォームや修繕にかかるコストのことです。

住宅は購入時にコストがかかるだけではなく、リフォームや修繕などの維持管理や解体時にもコストがかかります。

住宅は購入後も管理を行い劣化を防がなければ修繕費用が発生するにも関わらず、管理が長期間にわたってされなかったり放置されてしまうのが現状です。

しかし、定期的な点検を行うことによってライフサイクルコストを減らすことができます。

点検をしない場合、損傷が大きくなった住宅ではリフォームや修繕にかかるメンテナンスコストが大きくなってしまうところですが、定期点検を行うことでメンテナンスコストを低くすることができます。

また、定期点検を行うことで事前に住宅の損傷を予防できたり、早期に劣化に気づくなどのメリットが生まれます。

結果として住宅の寿命を伸ばしリフォームや修繕時のコストを削減させるため、ライフサイクルサイクルコストを低く抑えることができます。

それでは具体的には定期点検によってどのようなコストを削減することができるのでしょうか。

以下に事例を作成したので参考にしてください。


[シロアリの事例]


・点検(薬剤散布)を行わず食害がすすんでおり、駆除が必要となった場合

①駆除 : 1,150〜3,000円/㎡(3,800~10,000円/坪)程度

②(建物に建物口がない場合)床下点検口の設置費用 : 1箇所あたり約2~5万円

③(食害がひどくリフォームする場合)リフォーム費用 : 総額25~100万円以上になることも多く、状態がひどい場合には300万円

(タイル張りの在来浴室を床下から全体交換する場合は、より高額となる)

・点検を行っており5年に1度の薬剤散布のみで済んだ場合

公益社団法人・日本しろあり対策協会の『防除施工標準仕様書』によると、5年を目途に防除の再処理を行うよう提言しています。

①薬剤散布 : 1㎡あたり1,150〜3,000円(1坪あたり3,800~10,000円)程度

よって、有償のメンテナンスに時間やお金を使った場合でも、トータルで考えると費用を抑えることができます

住宅の耐用年数を向上させることができる

法律で定められている法定耐用年数は、一般的には木造住宅で22年、れんが作り・石造・ブロック造の住宅で38年、鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造の住宅で47年です(新築の場合)。

しかし、様々な家の不具合の発生により、この法定耐用年数よりも低い年数でしか住宅を維持できない可能性もあります。

定期的な点検を行うことによって、住宅の耐用年数を維持させ、より長持ちする住宅にすることができます。

シロアリの食害による被害や外壁のひび割れ、剥がれからくる雨漏りなどは、住宅の耐久性能に影響を与えるリスクがあります。そういった被害から住宅を守るために点検をすることが効果的です。

住宅の資産価値を維持できるようになる

現状の日本の戸建て住宅の資産価値は、およそ20年でほぼ0となってしまうと言われています。

なぜ日本の日本の戸建て住宅の資産価値は20年でほぼ0になってしまうのでしょうか。

実は、日本では新しく建てては潰すを繰り返す「スクラップ&ビルド」の方法で住宅が建てられてきたためです。

古くなってしまった建物の価値が認められず、価値が落ちきった後に建て替えられるサイクルが続いています。

アメリカと日本を比較すると、日本が住宅の資産価値を蓄積できていないことがわかります。

2013年に中古住宅流通促進・活用に関する研究会から発表された「日米の住宅投資額累計と住宅資産額」によると、アメリカでは住宅投資累計と投資資産額がある程度比例しており、価値が蓄積されていることがわかります。

一方で日本では、住宅投資累計は伸び続けているにも関わらず投資資産額が横ばいで、投資額に対する価値の蓄積が見合っていないのです。

このような違いはなぜ生まれるのでしょうか。

実は、アメリカでは住宅の購入後も建物の修繕やリフォームに力を入れ、長持ちし資産価値を落とさない住宅にすることが一般的なのです。

日本でも住宅購入後の点検や修繕・リフォームに力を入れることで、資産価値が長期間維持されるようになるかもしれません。
住宅の資産価値を維持できるようになる

正しい住宅の管理方法

住宅の定期的な点検を行うことで、様々なメリットが発生することを解説しました。

では具体的に、どのように住宅を管理すれば良いのでしょうか。また、住宅管理を行うことによってどんなメリットが発生するのでしょうか。

住宅の正しい管理方法について解説します。

住宅管理のタイミング

住宅を管理する最適な方法は、不具合が発生しそうなタイミングで修繕やメンテナンスをし、大きな損害を発生させないようにすることです。

例えば雨や台風による雨漏り、シロアリによる建物の食害、外壁の剥がれやひび割れなどの兆候を察知し、対策することが重要です。

不具合の兆候を察知するためには、様々な不具合に対する対策について、知識を有しておくことが大切です。

以下に様々な住宅の管理に適切な周期(タイミング)を記載するので、参考にしてください。

○住宅の築年数ごとの管理・修繕時期の目安

[築5〜10年]

・小型給湯器、浴室のドア、天井、室内の壁や外壁などの部分的な破損や汚れ

・(木造住宅の場合)5年に1度のシロアリ対策(薬剤散布)

参考 : 日本しろあり協会 防除処理標準仕様書

https://www.hakutaikyo.or.jp/boujo/files/shiyousho.pdf

[築10〜15年]

・水回りの修繕時期

・浴室・トイレ・洗面台・キッチンなど水まわりの不具合

・雨風などによる屋根材・雨樋・外壁の劣化

[築15〜20年]

・大規模修繕時期

・給排水管や建物の土台など、住まいの見えない部分が老朽化

[築20〜30年]

・住宅の耐用年数(30年)が迫り、増改築レベルのリフォーム時期

○住宅の部位ごとの管理・修繕時期の目安

[床・壁紙などの内装]

・フローリングの張り替え...10〜15年

・畳の交換...約5年ごとに裏返し/表替え/張り替え

・壁紙の張り替え...10年

[水・ガスまわり(キッチン・トイレ・浴室・洗面所)]

10~20年

(本体交換も要検討)

[窓まわり・建具]

20~30年

[外壁まわり]

10~20年

[屋根まわり]

塗装...10年

葺き替え...20年

住宅管理に活用できるアプリ「HOUSEE」

住宅管理において、家のきになるをすぐに診断、診察し、損傷度や資金計画など、住宅の最適な手入れとタイミングが把握できるアプリが「HOUSEE」です。

不具合や損傷のある箇所をスマホで撮影しアップロードすると、それらの損傷度を診断し、最適な対策を把握することができます。

HOUSEEの具体的な利用手順

まずは住宅の情報を入力し、住宅設備/診断箇所の写真を撮影します。

撮影された画像が読み込まれたら、専門家の知見を踏まえた独自ロジックを基に、撮影された住宅部位の劣化レベルが診断されます。

住宅の部位別損傷レベルの判定結果が表示され、住宅の損傷がどの程度のものなのか、必要なリフォームや修理の度合いがわかります。

今後の修繕計画の案内が届いたり、専門家の紹介やチャット相談を受けることも可能です。
HOUSEEの具体的な利用手順

まとめ

なぜ住宅の定期点検が必要なのか、正しい住宅の管理法、家のきになるをすぐに診断できるHOUSEEの活用方法についてご紹介しました。

住宅をより長持ちさせ、資産価値を維持するには、不具合が発生しそうなタイミングで修繕やメンテナンスをするなど、定期的な点検によって大きな損害を防ぐことが非常に重要です。

HOUSEEでは点検時に正しい判断ができるよう、住宅のお悩み事を解決し、サポートいたします。

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